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出会い(2)

先日、近くにある根津神社の節分祭に行ってきました。

暦の上ではもう春ですがまだまだ寒い日が続きます。

皆さんいかがお過ごしでしょうか?


さて今日は前回お話したサラスワティとの出会いの続きです。

>>出会い(1) (http://himalayanart.blog21.fc2.com/blog-entry-6.html

彼の描いたカーリー女神は今まで僕が見たどんなタンカよりよりも細密で、それでいて全体のバランスを失わない素晴しいものでした。

僕は驚いてタンカ屋の彼にもっと彼の絵を見たい、今の自分にこの絵を買う余裕はないがもし、これと同じようなタンカをもっているのならもっと見せて欲しいと頼みました。

彼は同じタンカに対する情熱を僕に認めたのでしょう。

ニヤリと笑って、分かった、ついて来い、といって店の扉に鍵をかけ、旧王宮広場のほうに向かって歩きだしました。

王宮広場を抜け、ネパール建築独自のレンガ造りの家に囲まれた細い迷路のような路地を進み、一軒のほの暗い家の中に案内されました。

急な階段を上り2階に着くと、そこに三重に施錠された大きな扉がありました。

湿気と老朽のため、歪んでしまった扉を彼が苦労して空け、かび臭い室内にある裸電球をともすと、そこには値段がつけられないようなアンティークタンカや現代の有名作家の作品が所狭しと置かれていました。

譲ることは出来ないが、という条件付で彼のプライベートコレクションを僕に見せてくれたのでした。

どれも素晴しいタンカたちでした。

何よりそうした素晴しい作品たちに対する彼の限りない愛と誇りを感じられるコレクションでした。

僕は時間を忘れてそのタンカたちを一点一点心ゆくまで鑑賞しました。

その中にひと際、鮮烈で気高い空気を放っていると感じるタンカがありました。

それがこのサラスワティです。

023.jpg

彼にそのことを伝えると満足そうに微笑みました。

それから彼とこのタンカの美しさと作者であるウダイ・チャラン・シュレスタの卓越した技術、こうした芸術を生み出したネワール族の素晴しい美意識について心ゆくまで語り合いました。

同じ感性をもち、同じものを美しいと感じ合える彼との会話は僕にとって至福の時間でした。とても興奮していたのを覚えています。

その時はまさか将来自分がこのタンカを日本に持ち帰ることになるとは思いませんでしたが、多くの人たちとこの美しいタンカを見た時の深い感動を共有したいと強く思いました。

このタンカとの出会いこそが僕がこのギャラリーを始めようと思った原点に他なりません。



Gallery HIMALAYAN ART 牧野



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